VASE®(多入射角分光エリプソメーター)
VASE®は半導体・誘電体・ポリマー・金属・多層膜など、あらゆるタイプの物質を調べることのできる汎用性の高いエリプソメーターです。VASEには広い波長範囲(193 – 4000nm)が備わっており、高精度で正確な測定が可能です。波長と入射角が可変のため、フレキシブルな測定も可能です。
<以下のデータ取得が可能です>
反射および透過エリプソメトリーデータ
反射率と透過率の測定
一般化エリプソメトリー
(異方性・リターダンス・複屈折)
交差偏光 R/T
偏光解消率 (Auto Retarder®が必要です)
異方性の測定 (Auto Retarder®が必要です)
ミューラー行列
スキャッタメトリー
VASEの特徴
データの正確さ
VASEは特許取得済の自動位相調整器(Auto Retarder)を備えた回転検光子型エリプソメーター(RAE)であり、正確なデータの取得が可能です。
高精度の波長選択
HS-190TMモノクロメーターは、分光エリプソメーターのために特別に設計されています。スピード・波長校正・光のスループットが最適化されており、また波長の選択およびスペクトル分解能は自動制御されます。
フレキシブルな測定
反射、透過、そして散乱といった多くの種類の測定に対応するために、垂直型でのサンプル設置という特徴になっています。
自動位相調整器(Auto Retarder)の技術
回転検光子型エリプソメーター(RAE)は、Ψ/Δデータが多くの情報を含む「ブリュースター角」付近での測定において、データが最も正確に出ます。しかし、サンプルによってはシグナルの減少により、この範囲は制限されてしまいます。
自動位相調整器は、サンプル入射前で光の偏光を調整する、コンピュータで制御された波長板です。これにより、どのようなサンプルに対しても(どのような条件下でも)、測定条件を最適化することが可能です。
Auto Retarderは以下の測定を正確に行います
・プサイΨとデルタ⊿をフルレンジで!
・一般化(異方性)エリプソメトリー
・偏光解消データ
・ミューラー行列データ
光学コーティング
自動位相調整器によって、デルタ(Δ)が 0°や 180°近辺であっても、正確に 測定することができます。ガラスやプラスチックといった透明基板上の薄膜測定にはとても重要です。装飾コーティング材料、反射防止膜、高反射率膜、低反射フィルム、 エレクトロクロミックやフォトクロミック層なども測定することが可能です。
レーザー光学素子
モノクロメーターを使用することで、正確な波長選択が可能となり、光学系 の動作波長、すなわち、1550nm、1310nm、980nm、632.8nm、589nmと いった波長で測定ができます。
薄い膜
VASEはサブナノメートルオーダーまでの膜厚に高い感度があり、吸収膜 のSE測定や、透過強度測定もできます。SEデータと透過強度データの両方を 使用した解析で、n、k、(t 膜厚)を同時に求めることが可能で、右図のような 金属層が14nm程度しかない薄膜の場合でも測定することができます。
半導体
GaN、InP、SiGe、CdTeなどの半導体物質については、バンドギャップ、電子遷移、臨界点などを評価することができます。高い波長分解能、そしてデポラリゼーション (偏光解消)測定の能力が、正確な光学定数の決定を保証します。
感光性材料
分光器はサンプルの前側に置かれているため、微弱な単色光のみがサンプルを照射します。これにより感光性サンプルが曝露されるのを防ぎます。
ベースモデル |
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標準波長範囲: 240-1700 nm サンプルサイズ:200mm(カスタム対応可) 入射角範囲15° ~90° ダブルチャンバーモノクロメーター 特許取得済みのオートリターダーによる高精度での測定 偏光解消、異方性、ミューラー行列の測定にも対応 |
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波長範囲のアップグレード |
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DUV | 193-240nm |
XNIR | ~2500nm |
XXIR | ~3200nm |
PMT 検出器 | UV域のS/Nを向上させるためのPMT検出器. (300nm以下の波長のみで使用) |
仕様
装置概要 | オートリターダー付き回転検光子 | |
波長範囲 | 標準 (ダブルチャンバー) 240-1700nm DUV拡張 193nm~ XNIR拡張 ~2500nm XXIR拡張 ~3200nm 4IR拡張 ~4000nm |
240-1700 nm 193-1700 nm 193-2500 nm 193-3200 nm 240-2500 nm 240-3200 nm |
測定波長数 | 任意で設定可 | |
入射角範囲 | 15°-90° | |
データ取得時間 | 1波長あたり0.1~ 3秒 | |
基板厚さ | 20mm |
必要設備
電源 | 100 VAC, 50/60Hz, 15 A/td> |
寸法
カメラ |
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サンプル上の測定位置確認に使用 鏡面上では光を目視で確認できない場合あり 通常集光オプションとセットで使用 |
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自動マッピングステージ (150x150mm) |
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ステージサイズ: 150×150 mm XY | |
自動マッピングステージ (50x50mm) |
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ステージサイズ: 50×50 mm XY 通常ステージ(中心の透過率測定は可能) 透過率マッピングステージ(中心に41×41 mmのホールあり) |
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集光オプション |
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ビーム径 100 or 200 μm | |
クライオスタット |
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温度範囲: 4.2ケルビン ~ 500 ケルビン(標準) 4.2ケルビン ~ 800 ケルビン(オプション) サンプルサイズ 最大25×25mm UHVチャンバー/サンプルマウント/ クライオスタット、ターボポンプ、 温度コントローラー/専用台座/ コンピューター制御温度コントローラー を含む。 ※入射角70°(透過配置0°) |
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ヒートステージ(Linkam) |
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温度範囲: -70°C to 600°C 入射角: 70° 液体窒素による強制冷却機能 サンプルサイズ 直径 ~22mm、厚さ ~5mm |
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ヒートステージ(HTC-100) |
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温度範囲: 室温~300°C 入射角: 70° 自然冷却 サンプルサイズ 直径 ~50mm、厚さ ~7.6mm |
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自動回転ステージ(360° Theta) |
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異方性測定に有効 入射角0°±19°までなら透過配置での測定可能 |
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手動マッピングステージ |
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50×50 mm XY | |
液体プリズムセル |
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液体の光学定数(n, k)を測定 以下2つのセルが付属 •6 mL (入射角60°) •5 mL (入射角30°) |
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5mL 溶液セル(垂直) |
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液体中(5ml)での測定に対応 | |
270µL 溶液セル(垂直) |
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液体中(0.27ml)での測定に対応 |
他の装置(M-2000やRC-2)と比べた時のVASEの利点は何か?
VASEはモノクロメータータイプのエリプソメーターのため、M-2000やRC-2などのCCDタイプのエリプソメーターと比べて測定に時間がかかります。一方で、例えば測定波長ピッチを任意で細かく設定できること、微弱な単色光のみがサンプルを照射するため、測定時に感光性サンプルが強い光に曝露されるのを防げることなどが利点として挙げられます。また、VASEであれば測定波長を最大4umまで拡張することができます。
VASEをin-situで使用することは可能ですか?
in-situでの用途であればi-SE、M-2000、RC2を推奨します。
使用するソフトウェアはCompleteEASEとWVASEのどちらですか?
WVASEです。